あくまでも「ブログ」。

「芸術、お金、仕事」のことを書いています。「ハッピー・ライティング」を目指します。

CYCLE HIT 1991~2017| Spitz

「ロビンソン」でスピッツを知った世代です。それ以降の曲は聞きましたが、以前の曲はそれほど聞きませんでした。音が聞きずらかった。

聞きづらさの原因は、アーティストの技術的な部分と、機械的な音圧、音量の部分にありました。その傾向は時代が進むにつれて顕著になりました。

このバンドの技術はおそろしいほど磨かれていきました。歌唱力、演奏力、アレンジセンス。ライブでは過去の曲が同じ曲に聞こえないほどの状態に仕上げられています。他方のオーディオ側も、おそろしいほどに音量を大きくしていきました。

1995年に発表された『ハチミツ』の「ロビンソン」を聴くよりも、ライブDVDや、初回特典のライブ音源の「ロビンソン」を聴くようになりました。他の曲も同じです。

人間的な部分が理由で好きだった曲を聴かなくなるのは仕方がないことだと思います。しかしオーディオの流行や、音楽の聴きかたに左右されて、好きな作品を埋もれさせるのはもったいない。オーディオの問題は音量をあげればだいたい消えます。その上げたり下げたりが面倒で――

今回の30周年シングル・コレクションのリマスタリングで、音量のバランスがとれたスピッツの音源がふえました。ステファン・マーカッセンと読むのでしょうか。いい仕事をしてくださいました。それぞれのパートがきちんと分離され、これまで意識していなかった音が聞こえました。レッド・ツェッペリンのリマスタリングの時くらい感心しました。
[rakuten:book:18056165:detail]

聞きやすくなったので、冷静に曲を聴くことができました。苦手だった曲の偏見が落ちていきました。新しい3曲もよかったです。「1987→」。胸があつくなりました。


スピッツ / 1987→