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おおきなかぶ|佐藤忠良

佐藤忠良氏の線

この絵本の絵を描いているのは、彫刻家の佐藤忠良氏です。若い頃は画家を目指していたそうです。画家に挫折し、彫刻家になったと、どこかの本に書いていた記憶があります。本当のところはご本人にしかわかりません。

佐藤忠良氏の絵は、見たことのないような線で書かれています。独特の太さ。存在感のある線。描かれた線が立体的に感じます。

絵本を開くと、ひとりのおじいさんが現れます。そのおじいさんが超かっこいいです。キャラクターも動きも最高です。

1944年に召集され旧満州へ渡り、翌年にシベリアに抑留されました。
「おおきなかぶ」はロシアの作品です。

ロシアの名前「トルストイ」

「トルストイ」という言葉を聞くと、『アンナ・カレーニナ』が浮かんでしまう。ロシア語になじみがなさすぎて、「トルストイ」の名前を聞いたことがあっても、フルネームは頭に残っていない。

わたしの知っている「トルストイ」は、レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ氏。19世紀ロシアを代表する文豪。

「おおきなかぶ」を再話した「トルストイ」は、アレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイ氏。SFと歴史小説が専門のロシア(ソ連)の小説家。

うっかりすると、うっかりしてしまいます。

月齢4か月ごろの子どもの反応

この物語は登場人物がひとりずつ増えていきます。その様子を声にだしてよむとややこしいです。単調すぎて、状況がイメージできません。
しかし、絵本の絵を見ると、物語の中で起こっていることが一発でわかります。この絵本をよみはじめると、子どもは夢中になって読書に参加します。不機嫌だったはずなのに、「うー」「わー」と、はしゃぎます。

あれ、わたしは三回描き直しているんです。「かぶをひっぱった」と書いてあるのに、押しているように見える。自分でアトリエの大きな鏡の前で、こうしてかぶを引いているかっこうをして、三回描き直しました。みなさんには悪いんだけど、今でも押しているように少し見える。(笑い)絵でも彫刻でも、これでいいってものはあんまりないんですね。(『若き芸術家たちへ ねがいは「普通」』佐藤忠良、安野光雅)

P.S.
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