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実践する経営者|ピーター・ファーディナンド・ドラッカー

この数日、ピーター・ファーディナンド・ドラッカー氏の「[新訳]新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)」という本に、コテンパンにやられてしまい、引っ越しにともなう本の整理も滞っていました。

1.ウォールストリート・ジャーナルの論文集

他の読めていない本から整理しようかとも思いましたが、いつまでたっても読みたい本リストのなかからピーター・ファーディナンド・ドラッカー氏がなくなりません。少しふんばってしがみつきます。

今回は、ピーター・ファーディナンド・ドラッカー氏の「実践する経営者―成果をあげる知恵と行動」です。

あまりに濃密な内容だった「[新訳]新しい現実 政治、経済、ビジネス、社会、世界観はどう変わるか (ドラッカー選書)」とはうってかわって、読みやすい本で、ほっとしました。

読みやすさの理由は、この本が「ウォールストリート・ジャーナル」のために書いた論文集だからです。多くの人がさらっと読んで、内容がわかるところまで、かんたんにしています。

簡単と面白いは両立します。ピーター・ファーディナンド・ドラッカー氏は、そこらへんの基準もきちんと満たすように、工夫して仕上げています。

2.翻訳の自由さ

日本語に翻訳されたタイトルは「実践する経営者」です。「実践する経営者(とは、こういう人のことだ)」というニュアンスで、つけたのかもしれません。

この本を手にとる前のわたしには、この日本語のタイトルを見ても、あまりイメージがわきませんでした。英語を話せない、翻訳の世界のこともしらない素人の感覚では、原題「Advice for Entrepreneurs」を、そのまま訳してくれた方が、――

Advice(アドバイス、助言) for(→) Entrepreneurs(企業家、起業家、事業家)
「アントレプレナーへのアドバイス」、「起業家への助言」――

手にとる前にも、本を一通り読む前にも、本にどういったことが書かれているのか、イメージをしやすかったと思います。

おそらくこの本のタイトルの付け方は、実際に本を読み、内容を知っている人が、「本のタイトルをうまく象徴化したい」という気持ちが少なからずはたらいて、親切さよりも、かっこよさを選択したためだと思います。

3.考えるヒント

本の内容のなかで目のとまったところはいろいろありました。ピーター・ファーディナンド・ドラッカー氏自身が「ウォールストリート・ジャーナル」に30年間起稿したもののうちから精選したものだそうですので、多くの章がまた読み返したいと思う内容でした。

これまでの仕事、これからの仕事と向き合っていくうえでも、ヒントのようなものが、たくさん散りばめられていました。

私は、企業、公的機関、NPOで起業家たるべき方々が、本書によって、まさに起業家として活躍し貢献していくうえで必要な起業家精神の真髄と、情報と、助言を手にされることを確信している。