あくまでも「ブログ」。

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社労士試験対策|学習計画:7月、8月

学習計画:7月、8月

過去問題の知識の定着を休止し、模擬試験の復習を優先しました。また、並行して基礎知識も固めました。

7月:各種模擬試験の復習、択一対策問題演習、大原全国統一公開模試Ⅰ、TAC全国公開模試、I.D.E.社労士塾最終模擬試験、大原全国統一公開模擬試験Ⅱ

7月からは模擬試験の復習を学習の根幹に据えました。

模擬試験には、確実に押さえておくべき項目、法改正項目のうち最優先の項目など、本試験で得点につながる可能性の高い問題で構成されています。宝の山のような教材です。
特にI.D.E.社労士塾の「模擬試験問題、解説動画、模範解答、解答解説」は素晴らしい教材です。合格への切り札です。
解説動画についてはTACや大原も参考になりましたので、時間がある方は体験をおすすめします。TACの解答解説は良くも悪くもないものでした。大原の解答解説は答え合わせに使える程度のもので、復習には使いづらい、不親切な教材でした(大原は模擬試験の価格が異常に安かった記憶があります)。

7月に受けた模擬試験は4回。I.D.E.とTACが1回ずつ。大原が2回。
各種模擬試験の復習は以下の通り。

  • 大原全国統一公開模試Ⅰ×1(1周目)
  • I.D.E.社労士塾中間模擬試験×2(2周)
  • TAC中間模擬試験×1(2周目)
  • TAC全国公開模試×2(2周)
  • I.D.E.社労士塾最終模擬試験×1(1周目)

加えて、TAC択一対策合格のツボを1周し、7月は終了。

8月:各種模擬試験の復習、択一・選択対策問題演習

模擬試験の復習を継続しました。
できる限り、一度に3周してしまうより、一度目は2周だけしておいて、少し時間をあけてから再度1周するようにしました。

1周目は間違いだらけなので丁寧に復習します。2周目は解説で理解してからそれほど時間が経っていませんので、答えの欠片が記憶に残っている状態です。当然、多くの問題の正誤を判断できます。

3周目は記憶が薄まりつつも、消え去る前のタイミングで復習をします。2周目よりも正誤の判断が不安定になっています。その論点の知識を再度、集中的に定着させます。

各種模擬試験の復習は以下の通り。
大原全国統一公開模擬試験Ⅱ×1(1周目)

  • I.D.E.社労士塾最終模擬試験×1(2周目)
  • I.D.E.社労士塾中間模擬試験×1(3周目)

加えて、TAC択一対策合格のツボを3周しました(合計4周)。選択対策合格のツボは時間の関係で1周。

過去問題集で勉強の成果を確認

どのくらいの力がついたのか、このタイミングで再度過去問題集をひっぱりだしてきて解いてみました。たったの2か月間で、問題の正誤を判断する速度がかなり上がっていました。

試験の数日前――。

数日前から少しそわそわしてしまっていましたので、残りの時間に何をするかということを完全に絞りました。焦っても仕方がないことはわかっていたのですが、やはり気持ちが揺れました。

やらないと決めていた一般常識対策の問題集をちょっとだけかじり、TACのポイントチェックメールに目を通そうとしたり、各資格学校がYOUTUBEに無料でアップしている動画を片っ端から観ようとしたり、無駄なことはなかったと思いますが、計画もしていないことを、焦りの感情に任せて、気持ちの揺れた時間帯に行っていました。

6か月間で絶対に合格できる状態にまで仕上げることができるとは、まったく思っていなかったことを思い出しました。
合格の可能性のある実力をつけるところまでもっていくと決めて、受験することを決めたのでした。

「知っている問題が7割出たら合格、知らない問題が3割出たら不合格。駄目だったら来年。」
現実を直視しました。

残りの時間は、I.D.E.社労士塾の模擬試験問題を本試験の予想問題集と見なして、その選ばれた論点を総ざらいすることだけに集中しました。
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社労士試験対策|問題集(択一・選択)

使用「択一・選択対策」問題集:TAC社会保険労務士講座

過去問題集は過去に試験に出された論点を集めた教材で、模擬試験は本試験に出る可能性の高い問題で構成された教材です。
この2つの教材を優先して学習を進めるということは、本試験に出る論点の知識を身につけていくということです。必ず押さえておくべき教材として、過去問題集と模擬試験があります。

当然、このような学習スタイルでは、知識が歯抜け状態になっていきます。基礎を固めることが好きなわたしは、その状態での居心地がとても不愉快でした。
6か月という期間に気持ちが前のめりになっていたので、真っ先に過去問題集から取り組みましたが、それが正しかったのかどうかはわかりません。
中間模擬試験の結果が芳しくなかったため、冷静に学習方法を振り返りました。そして7月、本試験までの約2か月前に、下記の2冊で基礎的な土台を並行して築く決心をしました。

おすすめ択一対策問題集:みんなが欲しかった! 社労士 合格のツボ 択一対策(TAC社会保険労務士講座)

あまりにシンプルすぎる問題も数多くありました。しかし、そういった知識こそ、受験者の誰もが身につけていることが想像できます。仮に、このような基本事項が論点となった場合に、得点を取りこぼすようなことがあれば、合格は大きく遠ざかります。

約4か月過去問題集を丁寧に解いた状態だったので、それなりの速度で問題を解いていくことができました。本試験までに4周し、この一冊で不愉快な歯抜け状態だった基礎知識の欠落を補いました。

おすすめ選択対策問題集:みんなが欲しかった! 社労士 合格のツボ 選択対策(TAC社会保険労務士講座)

こちらの本も基本的な考え方は、同シリーズのものとおなじです。
この問題集の論点も多くの受験者が知識として身につけているはずです。取りこぼすわけにはいきません。社労士試験の独特なルールにより、選択式問題がいかに大切だったとしても、択一式問題で約7割の得点を取得する力をつける方が順序としては先です。

択一式問題に通じていくうちに、選択式問題に対する力も間接的に身につきます。択一式問題で論点となったところが選択式問題の論点になることも多いそうです。その逆も同じです。

選択式問題対策は、過去問題集、模擬試験、この一冊に絞りました。それ以上の時間を割くこともできませんでした。こちらは時間の関係で1周しかしていません(純粋に時間がありませんでしたが、費用対効果の面からも控えました)。

※「みんなが欲しかった! 社労士 合格のツボ 選択対策(TAC社会保険労務士講座)」のリンクは後日作成いたします。

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社労士試験対策|過去問題集

使用過去問題集:TAC社会保険労務士講座

過去問題集を丁寧に理解すれば、資格試験に合格すると思っていました(学習が進むにつれて、この考えは修正しました)。迷うことなくボリュームの多いTACの過去問題集を買いました。
購入の判断をしたのは、社労士受験をはじめるときのわたしです。
実際に本試験への学習を進めていくうちに、社会保険労務士試験の世界、業界のこともある程度詳しくなり、IDE社労士塾の教材がわたしにとってはベストの選択肢だったことに気がつきました。

おすすめ過去問題集1:よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集(TAC社会保険労務士講座)

解答解説を必要最小限に抑えています。時間に限りがある方にはおすすめですが、根本的な理解という点では満足できませんでした。おそらく対象者を独学者ではなく、TAC社労士講座の受講生としています。

過去問題集の解き方は、すべての問題に1から順番に番号をふり、「1番、11番、21番、31番、41番、51番~101番、111番~1001番、1011番~」というふうに、下一桁が1番の問題だけを拾いあげて10年間分を1周させます。
1番が終わると、次ぎは下一桁が2番の問題を10年間分を1周させます。こうして下一桁の番号が1番~10番までをすべて1周ずつすれば、10年間分が1周終わるという仕組みです。

この方法のいいところは、一定期間に全科目と向き合えるところです。社労士試験の全範囲、全科目を高い所から見下ろすにはいい方法です。反対に悪いところは、歯抜け状態であちこちの科目へ飛び移るところです。が、やっている当時は、そのことをあまり気にしていませんでした。

先にも書きましたが、必要最低限の解説は整っていますので、無駄のない解説を好む方にはおすすめの過去問題集です。法改正対応の体制も整っていました。概ね高評価です。

おすすめ過去問題集2:i.D.E.社労士塾 条文順過去問題集

根本からの理解を求める方には、次に紹介するI.D.E.社労士塾の過去問題集をおすすめします。

あっさりとリズミカルに学習するのか。それとも、じっくりと根本から理解を深めていくのか。どちらにも一長一短があります。それぞれの学習状況や個性を考慮したうえで選択判断を行ってください。
わたしは自分の個性として、「時間をかけてでも根本からの理解を深めていく、急がば回れ的な感じ」での学習に慣れていますので、I.D.E.社労士塾の教材をおすすめしています。

社労士試験対策の教材は、I.D.E.社労士塾のものが、業界でも高品質にあると感じました。I.D.E.社労士塾の教材の品質を上回る教材に、わたしは受験中に出会うことはありませんでした。模擬試験の動画解説も同様です。
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社労士試験対策|学習計画(3月、4月、5月、6月)

学習計画:3月、4月、5月、6月

「資格試験は過去問を理解すれば受かる」という、根拠のない勝手な思い込みで勉強に取り組んでいました。この早呑みこみに、後日後悔します。

当時は後に後悔することも知らず、無邪気に10年分の過去問題を解いていました。しかし、中間模擬試験の結果が想像以上にひどかったので、一度冷静になり、学習方法を見直すことにしました。

3月、4月、5月:TAC過去10年本試験問題集

当初の計画では過去問題集10年分を3周する予定でした。しかし、2月末から手をつけたにもかかわらず、1周目が終わった頃には、桜も散り、新緑の季節が訪れていました。仕事から帰り、脳が疲弊している状態で問題集と向かい合うと、こんなものです。

今から思い返せばあり得ない遅さですが、学習の初めの頃には必要な時間だったと思います。
ひとつの選択肢に含まれた論点を「テキストを参照しながら理解を深めたり、全体像を丁寧にイメージしたり」、ひとつの問題に引っ付いている知識の「体系」を理解しようと努めました。10年分の過去問題集を2周半ほどしたところで、梅雨になりました。

6月:TAC過去10年本試験問題集、TAC全国中間模試、IDE社労士塾中間模試(自宅)

「過去問題集10年分を3周」という呪縛にとらわれていたため、自宅受験にしていたI.D.E.社労士塾の中間模擬試験には手もふれず、過去問題集を解いていました。過去問題集の2周目が終わる頃に、TACの全国中間模試の試験日がきました。2回も模試を受けないのはどうかと思い、まだ試験を受けるだけの準備は整っていませんが、なんとなく受けに行きました。

模擬試験の試験中に、疑問と反省の大嵐が巻き起こっていました。「過去問題集は、過去の本試験の問題じゃないのか?」
過去の本試験の問題を10年分、丁寧に学習してきたつもりでした。しかし、全然歯が立ちません。この4か月間に費やした学習時間が得点につながっていませんでした。

帰宅後、模試の復習をし、WEB配信している解説動画も観ました。この時に、なにかが見えたような気がました。
次いで放置していたI.D.E.社労士塾の中間模擬試験にとりかかり、即復習しました。こちらで確実に見えました。学習方法の変更です。新しい学習方法を固めました。

I.D.E.社労士塾「中間模擬試験教材発送のお知らせ」「中間模擬試験の取組み方」に書かれている、最近の社労士試験の傾向の正確な分析を知ると、過去問題集を解き続ける学習方法は辞めました。約2周で中断。過去問題集を丁寧に解いていて歯が立たなかった。学習方法を変えるのは当然です。自分なりに納得して勉強方法を変更しました。

I.D.E.社労士塾の教材は、無駄なく厳選された問題を根本的なところにまでさかのぼり、徹底的な論理的解説を目指しているように感じました。問題のひとつひとつが腑に落ち、一人で過去問題集とテキストと向かい合っている時には感じることのなかった感覚に浸ることができました。

残り時間が2か月間となり、6か月間あった当初と比べると、できることは圧倒的に限られてしまいました。優先順位をつけ直しました。これからの2か月間は、I.D.E.社労士塾の教材(中間模擬試験・最終模擬試験)を優先することに決めました。

選択式問題40問×2回分。択一式問題70問(70問×5択=350肢)×2回分。
模擬試験たった2回分でさえ、細かく丁寧に眺めると約800個の論点があります。

優れた質問者は、その一問一問に試験に重要な論点を含めています。IDE社労士塾の模擬試験は、2017年現在、社労士試験対策の教材(解説動画、模範解答、解答解説)という一点だけで評価をすると、圧倒的に高品質の教材を提供する組織のように感じました。

同時に過去問題集もI.D.E.社労士塾の教材に変えたいと思いました。しかし、時すでに遅しです。6月の終わりに教材を入れかえることはできません。積みかさねた正誤の印を無駄にする勇気はありませんでした。

わたし自身はTACの過去問題集を使いましたが、模擬試験の教材への信頼から、過去問題集の解答解説の品質もI.D.E.社労士塾の方がわたし好みだと想像がつきます。本質的な理解に到達しやすくなるはずです。
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社労士試験対策|学習計画(開始月:2月)

学習開始月:2月

ある日の夜中に受験を思い立ちました。真冬のTSUTAYAまで車を走らせました。学習教材を調達し、学習計画を立て、実行しました。

2月21日:学習教材の調達、受験勉強を実行

当時は社労士試験の教材についてよくわかっていませんでした。「テキストも過去問題集も、どれ買ってもそんなに変わらん。そんなことにこだわるよりも、一日も早く勉強がしたほうがいい。」
そう思っていたので、テキストも問題集も、TSUTAYAの品ぞろえの中から選びました。

テキストはユーキャン、過去問題集はTAC。いい加減にした選択ですが、それほど悪い選択ではありませんでした。
TSUTAYAには、売れ筋の商品が並べられています。社会からそれなりの評価が与えられたものを中心に販売しているということです。

当時のわたし自身が、これらの教材に納得していたことも大きいです。購入したテキストを座右に、過去問題集を解いていきました。

2月22日~2月末:学習計画の策定、TAC過去10年本試験問題集(U-CANの社労士速習レッスンを常に参照)

TACの過去問題集に「社会保険労務試験の概要」がのっていました。試験概要・実施スケジュール、主な受験資格、試験形式、合格基準、試験科目、過去5年間の受験者数・合格者数の推移など。試験まで「3月、4月、5月、6月、7月、8月」、約6か月間です。

1,000時間ほど勉強すれば合格の可能性があるというウェブ情報を得ました。6か月間で1,000時間の勉強時間が確保できる計画を立てました。
平日(月~金)3時間勉強を130日。土日祝10時間勉強が59日。残業はできる限りせず、有給休暇も取得できる範囲で取得する。
この計画を実行することができれば、1,000時間学習の達成です。あくまでも計画です(実際には1,000時間していません)。

過去問題集を解いていくうちに、ユーキャンのテキスト一冊だけでは、もの足りなくなりました。指導者がいない不安。この不安を軽減するために、テキストを一冊追加購入しました。
RKZ(労務管理ゼミナール)秋保雅男氏の『うかるぞ社労士 基本テキスト』(2018年版はテキストの名前が変わっています。おそらくですが、RKZが閉鎖しています)。

すぐに2月が過ぎました。
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社労士試験対策|テキスト

使用テキスト:U-CAN(ユーキャン)、RKZ(労務管理ゼミナール)

資格試験は問題演習がすべてだと思っていますので、テキストは単独では使いません。辞書と同じように「引く」だけです。その代わり、引きまくります。
確信をもって解くことができない問題とぶつかった時は、未定着の論点をテキストで熟読し、理解したらその証拠として線を引きます。解けば解くほど不安定な論点があぶりだされていきます。数か月でテキストが真っ黒になります。

基本的にはユーキャンのテキストで間に合いますが、範囲や説明が足りないと感じる場面も出てきます。

独学で勉強する場合、わからない論点を即解決できる環境をつくっておくことが大切です。わからないところをわかるようにすることが学習の目的です。
ひとつのテキストでわかりにく場合には、異なった視点を与えてくれる他社のテキストから説明を受け、理解できる確率をあげておきます。その時のために、予備のテキストを準備しておきます。わたしは労務管理ゼミナールのテキストを選びました。

この2冊のテキストがカバーしていない範囲の論点は、わたしの試験対策から外してしまいました。下記2冊のテキストの範囲の知識や情報を、丁寧に理解することを心がけました。

お勧めテキスト1: U-CANの社労士 速習レッスン (ユーキャンの資格試験シリーズ)

過去問題集を元にしてテキストを組み立てたと想像してしまうほど、過去10年間の過去問題集の論点を押さえています。

説明はあっさりしています。論点を根拠にまでさかのぼり、深い理解を身につけたい方には物足りないかもしれません。そのことを逆手にとれば、必要最小限の解説で問題の論点を理解できる仕組みともいえます。

法改正対応の体制も整っていました。基礎固めを考えている方や、勉強時間の限られている方には、深すぎないため内容という視点でおすすめです。

お勧めテキスト2:うかるぞ社労士 基本テキスト (うかるぞ社労士シリーズ)※2018年度からシリーズの名前が変更「うかるぞ→ごうかく」。

ユーキャンのテキストよりも一歩だけ深く踏み込んだテキストです。言葉遣いも簡潔で読みやすく、説明も論点の根本に少し近いです。

法改正情報の取得が他社と比べてわかりにくかったです。TACとユーキャンはすぐに見つけることができたのですが、RKZはよくわかりませんでした。わたしに原因があるのか、RKZに他社よりも劣っているところがあるのか、そこまでは調べていないのでわかりません。

そういった点を差し引いても、ユーキャンテキストを補完するテキストとして、十分に活用したおすすめテキストです。

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社会保険労務士試験|合格

第49回社会保険労務士試験の結果

全国社会保険労務士会連合会 試験センターで公表されていたデータです。

  • 受験申込者数:49,902人
  • 受験者数:38,685人(うち科目免除者1,179人)
  • 受験率:77.5%
  • 合格者数:2,613人(うち科目免除者104人)
  • 合格率:6.8%

受験申込者数と受験者数に11,217人の差があります。2割以上の人がなんらかの理由で棄権しました。
受験者数が38,685人で、合格者数が2,613人。
数字を動かすと、1万人のうち、680人ほど。
素直にうれしいです。

合格基準と配点

  • 選択式:総得点24点以上、各科目3点以上(雇用保険法及び健康保険法は2点以上)
  • 択一式:総得点45点以上、各科目4点以上(厚生年金保険法は3点以上)

※上記合格基準は、昨年度試験の合格基準を補正したもの

過去10年間の受験者数と合格者数の推移(※小数点以下四捨五入)

  • 平成20年:3,574/47,568(8%)
  • 平成21年:4,019/52,983(8%)
  • 平成22年:4,790/55,445(9%)
  • 平成23年:3,855/53,392(7%)
  • 平成24年:3,650/51,960(7%)
  • 平成25年:2,666/49,292(5%)
  • 平成26年:4,156/44,546(9%)
  • 平成27年:1,051/40,712(3%)
  • 平成28年:1,770/39,972(4%)
  • 平成29年:2,613/38,685(7%)

今年は例年並みの合格率で助かりました。
そうでなければ、昨年や一昨年のように、低合格率だった年の受験経験者がいる中で、合格できたかどうか。いい年に受験しました。運。

社会保険労務士名簿に登録

合格者のうち、労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事した者又は厚生労働大臣が指定した講習を修了した者は、全国社会保険労務士連合会に備える社会保険労務士名簿に登録することによって、社会保険労務士となることができます。『第49回社会保険労務士試験の合格者発表』平成29年11月10日厚生労働省

平成29年3月現在の社会保険労務士登録者数は40,907人だそうです。

合格発表日に成績等の通知が郵送されるみたいですので、楽しみに待ちます。
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桜の園|アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ

何かごたまぜの感じの、登場人物がやたらに多い

登場人物が多く、ドタバタと入れ替わるので、名前と役割がなかなか一致しませんでした。
おおきなかぶ」の記事にも書きましたが、ロシアの名前が頭にはいりません。それでいて、人間関係で名前の呼び方も異なります。
本名だったり、愛称だったり。はじめて読む人には、おそらく努力が必要な作品です。しかし、途中まで来ると、物語の展開がおもしろくなり、こういった手間も忘れて読みました。

また、登場人物の設定が絶妙です。ロパーヒン(エルモライ・アレクセーエヴィチ)という商人と、ラネーフスカヤ(リュボーフィ・アンドレーエヴナ)という女地主の過去から現在にいたる社会的な役割の変化が、生々しくて、読みごたえがありました。

他の登場人物も劇的に強烈です。すごいくだらない、日常にありそうな膨大なやりとりが物語に広さと奥行きを与えていき、そうした中に紛れ込ませるようにして、ひとつ、またひとつと、ゾッとするような発言が飛び出してきます。

チェーホフの時代の認識、時代感覚、革命の到来の予見

株式投資の本でも『桜の園』が紹介されていました。

チェーホフの傑作『桜の園』の桜の木が切り倒される音を、忘れられる人がいるだろうか。しかも、ラネーフスカヤ一家の凋落を招いたのはマルクス主義ではなく、自由主義市場経済への移行であった。自分の資産を守るために、努力しなかったからである。『ウォール街のランダム・ウォーカー』バートン・マルキール

アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ氏は、ロシアを包んでいく資本主義の本質を見つめていたのかもしれません。
ペーチャと呼ばれる万年大学生のトロフィーモフ(ピョートル・セルゲーエヴィチ)に、商人ロパーヒンのことをこう評させました。

あんたは金持ちだ、おっつけ百万長者になるだろう。新陳代謝の意味では、猛獣が必要だ。なんでも手当たり次第、食っちまうやつがね。君の存在理由も、要するにそれさ。 『桜の園』アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ

上記のバートン・マルキール氏の『桜の園』の引用紹介文は、『ウォール街のランダム・ウォーカー』という本を、より魅力的にするための引用紹介のようにも感じました(翻訳者に原因があるかもしれません。)
物語のある登場人物は、自分の資産を守るために努力しなかったために凋落しましたが、過去の象徴としての桜の木にこだわっているのは、過去にしがみついていた登場人物だけです。
現在を生きる商人ロパーヒン、未来を追い求める万年大学生トロフィーモフやその恋人アーニャにとっては、桜の木よりも大切なものが見えていました。チェーホフ氏は、どうだったでしょうか。

ひとりの読者として「桜の木が切り倒される音が忘れられない」ということはあると思います。
わたしのように、桜の木の切り倒される音よりも、これからの登場人物の人生の音楽に耳を澄ませていた人もいたはずです。チェーホフ自身、桜の木を踏み台にして、「迫りつつあるどえらいうねり」に苦悩し、不断の勤労という道を歩いていく意志があった可能性も否定できません。

桜の園の元ネタ2作品

戯曲『桜の園』には、よく知られているようにチェーホフ自身の書いた二編の小説の世界が、組み込まれている。

チェーホフ自身の作品、『知人の家で』『いいなずけ』という二編の小説の設定を、うまく合流させているそうです。

わたしの心に響いた台詞

神よ、あなたは実にどえらい森や、はてしもない野原や、底しれぬ地平線をお授けになりました。で、そこに住むからには、われわれも本当は、雲をつくような巨人でなければならんはずです…… 『桜の園』アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ

アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ氏が1903年の秋に書き上げた、四大劇の最後の戯曲を神西清の名訳で。冬には日露戦争。

ウォール街のランダム・ウォーカー|バートン・マルキール

ランダム・ウォークの定義

ランダム・ウォークというのは、「物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能である」ということを意味する言葉である。『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理』バートン・マルキール

株式投資をしている多くの方から推奨されていたので、資産運用をはじめた頃に読みました。

バートン・マルキール氏の文体に漂う雰囲気(もしくは、翻訳者)

文体に漂う雰囲気が、なぜか苦手です。翻訳のせいかもしれません。(原文は読めません。)少なくともわたしの読んだ日本語訳では、切れ味がよすぎました。
この経済学者の研ぎ澄まされた思考力が、論理だけに使用されていたなら、苦手にならずに済んだと思います。論理の他にも、攻撃、皮肉なども混ぜているように感じました。
本著よりも心静かに読むことができた株式投資関連の本は、以下の3冊です。

芸術を中心にしているブログとして、本著にアントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ『桜の園』が引用されていたことは見逃せません。

金融の重力の法則

投資関連の本によく書かれる法則があります。それを読むと、わたしの呼吸は自然に深くなります。心も身体もゆったりとします。著者は本著に、この法則を表現しました。

しかし、遅かれ早かれ金融の重力の法則が働いて本当の価値が実現することになる。『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理』バートン・マルキール

景気の回転との関係

この法則を見ていると、ヨーゼフ・アロイス・シュンペーター氏の理論が頭に浮かびます。(『経済発展の理論』。)

株式投資をする時には、この金融の重力の法則という言葉を忘れないようにしながら、ゆっくりと関わりたいです。

怪盗紳士ルパン|モーリス・ルブラン

怪盗+紳士というギャップから生まれた魅力

GENTLEMAN-CAMBRIOLEUR。
紳士と泥棒がひっついたら、アルセーヌ・ルパンになった。ひっつかないはずのものをひっつけたことで、どこにもいない架空の人物が、息を吹き、世界を飛びまわりはじめた。先駆けること100余年のギャップ萌え男子かもしれません。

モーリス・ルブラン氏のフランス式ユーモア

神出鬼没の怪盗。フランス一の名警部、老ガニマールが命がけで挑戦している人物。城館や富豪のサロンしかねらわない風変わりな紳士。ありとあらゆるものに変身できる男。その中でも、おもしろい紹介文はこちら。

とある夜、ショルマン男爵の邸にしのびこみ、<いずれ家具がほんものになりましたら、あらためて参上。怪盗紳士アルセーヌ・ルパン>と名刺に書き残し、手ぶらで立ち去ったふしぎな人物。『怪盗紳士ルパン』モーリス・ルブラン

フランス一流の健全なユーモアは颯爽として清々しいですね。

元心理小説作家、モーリス・ルブラン

モーリス・ルブラン氏は、アルセーヌ・ルパンを生み出すまで、心理小説を書いていたそうです。その経験がルパンにも存分に発揮されています。アルセーヌ・ルパンは、他人の心を意志の力で操作します。
導入文もかっこいいです。ふるえます。オノレ・ド・バルザック氏の魂でも根付いているかのように感じました。

収録されている短編作品

  • ルパン逮捕される、獄中のアルセーヌ=ルパン、ルパンの脱獄
  • ふしぎな旅行者
  • 女王の首飾り
  • ハートの7
  • アンベール夫人の金庫
  • 黒真珠
  • おそかりしシャーロック=ホームズ

駄作のないことにおどろきです。無駄のない短編集と出会うことはむずかしいものです。モーリス・ルブラン『怪盗紳士ルパン』は、全話とも面白く読みました。

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