風の谷のナウシカ|宮崎駿監督
宮崎駿氏のアニメーション作品の続きをふりかえりました。第三回目は『風の谷のナウシカ』です。
印象に残ったシーンは、旅の剣士のしゃれた髪型です。風貌や物語上の役割から、勝手にドン・キホーテ的な老剣士として見ていました。しかし、ナウシカの師匠のユパさま、40代半ばという話も小耳にしました。(本当でしょうか?)現代とちがって「人間五十年」の時代かもしれません。
このことを例外にすれば、あとは風使いナウシカの美しさにみとれていました。メーヴェにのる姿はもう――。蟲愛づる姫君の一面も垣間見せます。
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そしてホメロス氏『オデュッセイア』――。
『風の谷のナウシカ』が影響をうけたといわれている作品はたくさんあります。影響を与えた作品を作った人たちにも感謝します。おもしろかった。世界と腐海のバランス。人間と人間のバランス。『ルパン三世 カリオストロの城』も登場人物が魅力的でしたが、さらに端の方まで魅力あるキャラクターを創造していました。
わたしにとって、宮崎駿氏の作る作品の魅力はここのような気がします。登場人物が魅力的だから最後まで見ていたい。老若男女問わず魅力的な人たちと一緒にいたい。クロトワとか。ストーリーはあまり求めていないのかもしれません。
最後のシーンは、ウィリアム・シェイクスピア氏の『マクベス』からイメージをふくらませたとか――。
The wood began to move.(森が動きだした。)
I say,a moving grove.(あれは、動く森です。)
宮崎駿氏の勉強量。吸収力。新しいものを創造していく力。多くのものに先人の根拠を敷きます。
フランスの漫画家メビウス(ジャン・アンリ・ガストン・ジロー)氏のことを知りました。絵がきれいです。『風の谷のナウシカ』がどうとかの次元ではありません。作品を部分的にのぞいただけで、小さい頃に読んだ漫画がいくつもめぐりました。
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若かりしわたしは漫画版ナウシカに挫折した思い出があります。むずかしすぎました。しかし、もう一度読みたくなりました。今なら読めそうです。
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